べじもも
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ナマステ!
犬好きにはたまらない国-それはネパール。
毎日緊張感なく至るところで、気持ちよさそうに寝る犬を目にできます。
とっても可愛くて、なでたくなってしまいますね。
でも・・・
ネパールは日本と違い、狂犬病がある国です。
私はネパールで動物に引っかかれ、狂犬病の恐怖を目の当たりにしました。
今後ネパールに来る方が同じような状況になったときに少しでも力になれるよう、記事にまとめます。
私は医療従事者でもなく、感染症のプロでもありません。
一般人の体験談として、読んでいただければ幸いです。
狂犬病とは?
狂犬病は、ラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルス (Rabies virus) を病原体とするウイルス性の人獣共通感染症である。
水などを恐れるようになる特徴的な症状があるため、恐水病または恐水症 (hydrophobia) と呼ばれることもある(実際は水だけに限らず、音や風も水と同様に感覚器に刺激を与えて痙攣等を起こす)。
毎年世界中で約5万人の死者を出しており、その95%以上はアフリカとアジアである。
Wikipedia「狂犬病」
これを読むだけでも、恐ろしさが伝わってきますね・・・。
日本は狂犬病を撲滅することに成功した数少ない国の一つですが、世界では未だに多くの死者を出している感染症です。
忘れてはならないのは、「狂犬病」とは言うものの、犬以外の動物にも注意しなければならないということ。
ネパールには犬以外にも、野良の猫や猿も多くいます。
犬以外でも狂犬病ウイルスを保有していて、人間を引っかいたり咬んだりすれば、ウイルスが人間に移ります。
狂犬病を発病している動物は、
・獰猛、凶暴になる
・見境なく咬みつく
・眼光が鋭い/目がうつろ
・よだれを垂らしている
等のサインがある上、
発病後10日前後で死にます。
そのため、日頃見ている飼い犬なら狂犬病ウイルスの有無が分かるかもしれません。
でも、発病前だと分かるはずもないし、野良の場合は行方を追うことも難しく、10日後に死んだかどうかなんて知る由もありません。
狂犬病がある国で、動物に咬まれたり引っかかれたりした場合は「狂犬病ウイルスを保有している動物」だと思って、行動するべきです。
狂犬病ワクチンについて
狂犬病ワクチンには「暴露前接種(投与)」「暴露後接種(投与)」があります。
「暴露前接種」というのは、動物に咬まれたり引っかかれたりする前に、予防目的で打つもの。
「暴露後接種」というのは、動物に咬まれたり引っかかれたりした後に打つもの。
暴露前接種をしていても、実際に動物に咬まれた場合は暴露後接種もしなければなりません。
ネパールに旅行、または短期・長期滞在しようとする方は、日本にて暴露前接種をされてくることを強くお勧めします。
私も3回接種してきていたおかげで、多少冷静に対応することができました。
費用も時間もかかりますが、迷っている方は絶対に打ってください!
というのも、知り合いの感染症を専門とする方によると、
・暴露前接種をしていなかった人が暴露後接種だけをした場合、暴露後接種がどんなに正しく行われていても「失敗例(=狂犬病を発病して死亡)」があることが知られている。
・一方、暴露前接種を有効に(正しい日数の間隔、回数で)していた人は、暴露後接種をきちんとしていれば、死亡した報告はない、とされている。
というのです。
これを知ったとき、「日本で3回打ってよかった…」と心底思いました。
暴露前接種 費用と回数、かかる日数
私は東京に住んでいたため、品川イーストクリニックのトラベル外来に行きました。
暴露前接種は、
必要回数:3回
接種間隔:Day 0, 7, 28(1回目の接種を0日として、2回目を7日後に、3回目を28日後に接種)
接種費用:1回 約11,000円
でした。
狂犬病だけで3万以上しましたが、命には代えられません!!
ここでは、接種したすべての予防接種の詳細を「WHO公認 予防接種証明書」に記入して、渡してくれます。
特に狂犬病はスケジュール通りに打ったかどうかが重要です。
打った日時を忘れないよう、きちんと管理しておくことをお勧めします!
外国でワクチンを接種した場合も、必ずこの冊子に詳細(日付、ワクチンの種類、病院名など)を記入してもらいましょう。
ネパールで動物に噛まれたらどうすべきか?
さて、ネパール旅行中に動物に咬まれたり、引っかかれたりしたら、どうすればいいでしょう?
まず!!!
落ち着くこと。
何しろ狂犬病は、発病すると「確実に死ぬ、治療法がない感染症」です。自分が思っているよりパニックになります。
私もパニックになり泣きじゃくりました。
でも全ての動物が狂犬病ウイルスを保有しているわけではない!むしろ少ない!
そう思って、とにかく落ち着きましょう。
一旦落ち着いたら、冷静に行動しましょう。
①傷口から血が出ているか確認する。
②血が出ている場合は、手を石鹸で洗ってから、傷口をきれいに洗う。
※ネパールならば水道水よりも、飲料水がいいです。数分かけて、入念に洗いましょう。
③絆創膏を貼るなりして、傷口にばい菌が入らないようにする。
これで、応急処置はOK!
次に、
④24時間以内に行ける、感染症に強い病院を探す。
※この時、咬まれた大体の時間を覚えておきましょう。
私はカトマンドゥ近辺にいたので、幸い病院まで近く、すぐに行くことができました。
カトマンドゥ外の場合は、知り合いのツテを辿り、医療関係者などからいい病院を紹介してもらいましょう。
近場の病院に駆け込むなり、電話するなりして、情報を聞き出すのも手です。
暴露後の最初の注射は、咬まれてから24時間以内に打つ必要があります。
早ければ早いほどいいです。
冷静さを保ちながら、機敏に動きましょう。
カトマンズでおすすめの病院
私が紹介してもらったのは、通称テク病院 (Teku Hostipal) というところ。
正式名称は Sukraraj Tropical & Infectious Disease Hospital というようですが、’Teku Hospital’で通じます。
Tripureshwor Marg の Teku Hostipal といえば、大抵のタクシードライバーは分かるはずです。
テク病院は感染症を専門とする病院で、狂犬病はもちろん、破傷風やその他感染症のワクチン接種なども受けられ安心です。
医師、ほとんどの看護師は英語が話せますので、ネパール語に不安がある方も大丈夫。
ちなみに狂犬病は「Rabies(レイビィス)」ワクチンは「Vaccine / Vaccination(ヴァクシネイション)」またはネパール語で「スイ」といえば伝わります!
狂犬病ワクチン(暴露後)の場合、平日(日曜~金曜)10時~午後1時頃に来院すれば、無料でワクチンを接種できます。
ただし、そのためには下手すると100人以上!?と思われる、診察待ち&横入してくるネパール人をかき分け、ワクチンを打ってもらわなければなりません・・・。
また、パシュパティナートやスワヤンブナートといった観光地にいる犬や猿は「狂犬病を持っていないもの」とされているため、無料でのワクチン接種をしてもらえません。
(しかし観光地の動物だからといって、狂犬病ウイルスを持っていないことにはならないので、きちんとワクチンを接種した方がいいです)
上記のように、何時間も待ちたくない方。また観光地で被害に遭ってしまったという方は、自費でワクチンを購入して看護師にお願いすれば、その場でワクチンを打ってくれます。
ワクチン接種の流れと値段
①病院正門右手の受付で、カルテを作成。(病院の人は「チケット」と言っていました)
※名前、生年月日などを口頭で伝えます。30ルピー(約30円)を支払い、カルテを受け取る。
②近場にいる看護師に、狂犬病のワクチンを受けたいと伝える。
③案内される薬局に行き、狂犬病と破傷風のワクチンを購入。
④それを持って看護師のもとに戻り、ワクチンを打ってもらう。
⑤カルテに詳細を記入してもらい、次の接種スケジュールを確認。
カルテ(チケット)はこんな感じです。
ピンクが緊急外来、青が通常のものだったと思います。
ワクチンは施設内にある薬局で購入します。
料金は狂犬病ワクチンが1つ 575ルピー(約575円)、破傷風が 25ルピー(約25円) でした。(2016年9月時点)
現地の生活費からすると少し高く感じますが、病院で何時間も待つことを思えば安いです。(何より日本のワクチン代を考えれば・・・!)
狂犬病はスケジュール通りにワクチンを打たなければ意味がないため、咬まれた・引っかかれてから24時間以内(0日)、3日後のスケジュールは必ず守らなければなりません。(暴露前接種をしていなければ、さらに3回プラス)
まとめ
・ネパールに短期/長期滞在する方は、必ず狂犬病ワクチンを打ってくること(暴露前接種3回)
・もしネパールで動物に咬まれたり、引っかかれたりしたら、24時間以内に病院に行くこと
・カトマンズなら、感染症専門のテク病院(Teku Hospital)へ!
一番の予防法は、動物にむやみに触らないこと!
どんなに可愛い犬や猫でも、ぐっと我慢して眺めるだけにするべし!!
べじもも
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