べじもも
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ナマステ~!
ネパールは先月、2015年のネパール地震から丸2年を迎えました。
その日に合わせ、被害が特に大きかった地域の一つ、シンドゥパルチョークに行ってきました。
もちろん、シンドゥパルチョークといっても、一つの郡。
ここでご紹介できるのは、その中のほんの一部の地域(というか家)です。
「ネパール地震のその後がどうなっているか心配・気になっているけど、見に行くことができない」
そんな方も多いと思うので、私が見てきたことを記したいと思います。
ネパール地震とは
2015年4月25日、ネパールはマグニチュード7.8の地震に襲われました。
翌5月12日にはマグニチュード7.3の余震が続き、死者8,500人以上、負傷者2万人以上、人的被害以外にも家屋の損壊40万戸、学校の損壊は8000校以上と甚大な被害が出ました。
震源地のゴルカ郡はもちろん、シンドゥパルチョーク郡や首都カトマンズも、地震の被害が大きかった地域として連日メディアに取り上げられました。
2014年12月末のシンドゥパルチョーク
私がシンドゥパルチョークを始めて訪れたのは、2014年の12月末。
年末年始休暇を利用して、初めてネパールに来た時のことでした。
シンドゥパルチョークの村に学校を建設するプロジェクトを行っていたガネッシュ・マン・ラマさん(以下、ガネッシュさん)の学校が開校式を迎えるということで、私たちもお邪魔させてもらいました。
シンドゥパルチョークの印象① チョウタラが栄えている!!
シンドゥパルチョークの郡都チョウタラは、思っていた以上にお店がたくさんあり、人も多くて「すごい栄えているな~!」というのが第一印象でした。
当時は東京で日本語教師をしていたので、日本語学校の看板もチェック☆
カトマンズだけでなく、チョウタラにも日本語学校があることに驚くと同時に、覗いてみたい気持ちにかられました。(時間がなくて通り過ぎましたが・・・)
シンドゥパルチョークの印象② 断崖絶壁の道
開校式がある学校へは、このチョウタラからさらに1時間ほど、舗装されていない絶壁に面した道をジープで走らなければいけません。
この道が怖かった・・・・
車の中から外を覗くと、見えるのは崖だけ・・・
ほんの少しバランスを崩せば、あっという間に死・・・
雄大で美しい景色なんだけれど、楽しめなかったよ~涙
シンドパルチョークの印象③ 親友?家族? mitini ができた!
運よく開校式に参加させてもらい、普通の旅行だったら体験することができなかったネパールの式典や歌・踊り、ご馳走などを堪能させてもらいました。
開校式からの帰り道、チョウタラに向かう途中、一軒の民家で休憩しました。
ガネッシュさんがこの道を通るときにいつも寄るらしく、おばちゃんとは顔なじみ。
ガネッシュさんと他のネパール人たちはお酒を頼み、二階で宴会開始!
私は家畜の水牛とヤギを眺めていました。
可愛くて、いくら見ていても飽きない!
動物を見ながらボーっとしていると、おばちゃんの娘さんらしき女の子が私の元へ。
私は、ネパール語が話せない。
彼女は、英語が話せない。
だからコミュニケーションは取れないけれど、彼女は私に興味津々・・・という様子。
一緒にヤギが喧嘩するのを見たり、恥ずかしくてはにかんだりしながら時間を過ごしました。
その後、この女の子と「ミティニ」になる儀式をしました。
「ミティニ」というのは日本にない概念なので直訳がないですが、いわば家族になることだそう。(親友よりは、もっと関係が深くなる)
この日から私には、シンドパルチョークに住むミティニができました。
大切な人が住む場所となり、シンドパルチョークは私の記憶により深く残ることになりました。
2015年4月25日 ネパール大地震発生
そして初めてのシンドパルチョーク訪問から約5か月後の、2015年4月25日。
私は実家の長野にいました。
夜のNHKニュースで、テレビの画面いっぱいに広がる「ネパール大地震」という文字と崩れた家、町、道路-
まさに半年前に行った場所が、こんなことになっているなんて、にわかには信じられませんでした。
翌日以降の新聞やインターネットの記事には、「シンドパルチョーク」「チョウタラ」の文字が並び、ミティニのことが気になりガネッシュさんにメールをしました。(ミティニとは直接連絡を取り合うすべがなかったのです)
ガネッシュさんも地震後、救援物資を持ってネパール各地を回っていました。
地震から1か月後、返事とともにこの写真が送られてきました。
あの日、みんなが宴会をしてお酒を飲み、私がミティニと儀式をした家は、すべて崩れ去っていました。
写真に写っているのは、私のミティニです。
後ろは、彼女の家です。
この写真とともに、ガネッシュさんからは
彼女に米と食べるものを届けました。でも今は屋外で寝ています。
これから来る雨期に備え、屋根にするトタン板が必要です。日本円で3万円くらいです。
カトマンズで買って、トラックでシンドパルチョークまで運びます。
と連絡がありました。
すぐに郵便局から、送金しました。
この時初めて、数年でも会社で働いてお金を貯めた自分を、誇らしく思えたのを覚えています。(3万円でも!)
震災から2年 2017年4月25日のシンドパルチョーク
そして2014年末の訪問から2年半近くが経った、今年の4月25日。
ネパール大地震から2年というタイミングで、やっとシンドパルチョークに行くことができました。
目的はミティニに会い、彼女の家がどうなっているか見に行くこと。
カトマンズを朝6時半にバスで出発し、10時頃にはチョウタラのバスパークに到着。
ミティニが近所のお兄さんのバイクで迎えに来てくれました。
18歳になったミティニは、化粧をし髪を染め、年頃の女の子になっていました。
変わったもの① 家
バスパークからバイクで30分。
2年ぶりのミティニの家は、以前とほぼ同じ場所にありました。
でも、外観が大きく変わっていました。
二階建てだった建物はなくなり、自分たちで積み上げたというレンガの壁に、雨除けのトタン屋根がのっていました。
おばちゃんに「あなたがお金を送ってくれたんでしょう?」と聞かれたので、このトタンこそがガネッシュさんがカトマンズで調達し、トラックで運んでくれたものだと思います。
少しでも役に立てたことにホッとしたのも束の間・・・
おばちゃん 「あの時のお金は、もう残ってないのかな?」
私 「うーん、、、分からないなぁ(たぶんトタンで全部使ったと思うけど・・・)」
おばちゃん 「家を建て直したいから、お金が残ってないかガネッシュさんに聞いてくれる?」
そう、「雨風をしのぐ」という最低限のことはクリアできているけれど、以前の家に比べたら狭いし住みにくい。
確かに私がお邪魔した時も、レンガを積み上げただけで隙間だらけなため、家の前の道路をトラックが通ると土埃がぼわっと入ってくる。
できることは急いでドア(というかトタン板)を閉めるか、口を塞ぐくらい・・・
でもおばちゃんが家を建て直したい理由はそれだけではなさそう。
今の土地は借りていて、土地代がかかってしまうというのも大きいよう。
このコンクリートのエリアが、元々の家があった場所です。
この土地はおばちゃんたちのもので、土地代がかからなかったのです。
でも今は隣の土地を借りているため、月3,000ルピー支払わなければならないとのこと。
記憶をたどると、以前は家の一部が商店のようになっていて、お客さんが座ってミルクティーを飲むスペースがありました。(写真のコンクリート部分はまさにそこ)
しかし今の家ではそれもできません。
今は冷蔵庫で飲み物を冷やし、それを売っているようでした。
トイレは以前と同じところにありました。
ただこんな丸見えの状態なので、誰でも使い放題のようです。(近所の人も使っている)
私 「トイレ、誰でも使っていいの?」
おばちゃん 「だってあんな状態だもの、止めることもできないわよ~!」
まあ、確かにそうだ・・・
ちなみに色んな人が使っている割に、中は綺麗でした!
変わったもの② 家畜
家だけでなく、家畜の水牛とヤギさんにも変化がありました。
まず先の写真にあった、可愛らしい顔の水牛さん。
このしっかり顔が写っているお母さん牛は、地震で死んでしまったそう・・・。
今は、後ろに写っている子牛一頭になっていました。
またヤギはすべて死んでしまったそうです。
新しいヤギたちが飼われていました。
主な収入源がこのヤギだったと思うので、震災直後は大変だっただろうと推察されます。
まとめ
2年半ぶりにシンドパルチョークに行き、ミティニたちの元気な姿を見ることができて、本当によかったです。
本当に、元気な姿で再会できたことに何よりも感謝です。
ただ家や家畜など、失われたものもありました。
とくに家は、建て直すにはお金も時間もかかります。
今すぐ何かできるわけではないけれど、今後もミティニの元を定期的に訪れて、一緒にできることを考えていきたいと思います。
今後もミティニとおばちゃんに会いに、シンドパルチョークに行くぞ~!
べじもも
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