友達?家族?ネパール独自の風習ミット(mit) とミティニ(mitini) とは?




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べじもも

べじもも

好きなものは人、言語、お酒!念願のアジア暮らしをネパールでスタート。 目標はネパール人に間違われるくらい、ネパール語ペラペラになること! 予想外のできごと&ツッコミどころ満載のネパールで、楽しい毎日を送っている。

ナマステ!

皆さんは「ミット」や「ミティニ」という言葉をご存じですか?
英語表記だとmitmitini
デヴナガリ文字ではमितमितिनीです。

私も初めての、たった4日間のネパール滞在で知ることになった言葉なので、ネパールに関わりがある人なら知っている人も多いと思います。
でも、「それって何?」と聞かれると、あまりうまく説明できないのではないでしょうか?
(ネパール人に聞いても、うまく説明してくれる人はあまりいない・・・笑)

親友?家族?・・・的確な日本語が見つからない。
それもそう、日本にはない、ネパール独自の文化と考え方だから!

今日はそんな「ミット」と「ミティニ」についてご紹介します。

まずは、私と私のミティニの出会いを振り返ります。

シンドゥパルチョークの村で、ミティニに出会った

2014年12月末の初めてのネパール訪問。
このとき私は、知り合いのガネッシュさんに連れられて、シンドパルチョークの村に日帰りで行く機会を得ました。

シンドパルチョークでの用事が終わり、カトマンドゥに向けて出発する前に、一軒の民家に立ち寄りました。
ガネッシュさんの顔見知りのようで、行きにもトイレを貸してもらったお家です。

「またトイレを借りるのかな?」と思ったのもつかの間、ネパール人たちは2階で車座になり、お酒を注文して宴会を始めました・・・(笑)

私はお酒を飲む気分でもなく、宴会には加わらず、その家で飼っている水牛やヤギをずっと眺めていました。
ネパールの田舎ではこうした家畜がいるのは当たり前なので、「見てて何が楽しいんだ?」と思われていたはずです。
でも私は水牛のこんな表情も、ヤギ同士が喧嘩するのも新鮮で、見ていて飽きない!

そうしてぼうっとヤギを見つめていると、お家の娘さんがそっと横に。
彼女は英語が話せない。私はネパール語が話せない。
だから、微笑むだけで、そんなにコミュニケーションは取れなかった。

でも少し経った後、ガネッシュさんに突然

ガネッシュ「あの子があなたと mitini になりたいと言っています」

私    「え?ミティ・・・??」

ガネッシュ「どうしますか?なりますか?」

私    「mitini ってなんですか?」

ガネッシュ「どうしますか?なりますか?」←完全に無視

私    (何なのか全く分からないけど・・・)「じゃあ・・・なります」

ガネッシュ「なりますか?分かりました。じゃあ今から儀式をしましょう

儀式!!??

そうして、私たちはミティニになるための儀式をすることになったのでした。

ミティニの儀式

そこからガネッシュさんがネパール語でいろいろ指示し、にわかに周りが慌ただしくなり、儀式の準備が始まりあっという間にテーブルの上に用意が。
私が用意するように言われたのは、日本の硬貨だけ。

2年以上も前のことで記憶もおぼろげですが、私たちの儀式に用意されたのは確か以下のようなものでした。

・お米や果物がのったお皿
・マリーゴールドの花輪
・ヨーグルト
・カダ(お客さんを歓迎する時や、お祝いの時にあげる布)
・ロウソクと火
・ネパールと日本の硬貨


カダ 色とりどり、柄もさまざま。質の良い高いものから、質の悪い安いものまでたくさんあります。

残念ながら儀式の詳しい内容も覚えていません。
なんとな~く覚えているのは、ロウソクの灯りがゆらゆら揺れる中、花輪やカダをお互いの首に掛け合い、腕を交差しカップに入れた水を飲み?、コインを手渡しで交換。
交換したコインを相手のことだと思って、大事に持つこと」と言われました。
私とミティニは、50円玉と2ルピーコインを交換しました。


2ルピーコイン 表には牛とおじさん、ヒマラヤ山脈。裏にはエベレストが描かれています。

私たちの儀式は、上記のように手直にあるものをかき集めて少し豪華に行われました。
非日常的だからか、近所の子どもたちが部屋に押しかけてきて、たくさん人が集まりました。

けれど、儀式というのは絶対ではないようです。
またカーストによっても内容が変わります。
基本的には、各家庭にあるもので賄う。なければあるもので代用することもOKのよう。
もちろん儀式をしないこともあるし、口約束だけの場合もあるとか。

ネパールらしいゆるさです。

結局・・・ミティニとは何ぞや?

儀式を終え、無事にミティニになれた。

・・・って、そもそもミティニってなんなのさ

ガネッシュさんに帰りの車で再度聞くと、
「ミティニになったら、コインを交換しますね。
そのコインを相手のことだと思って、大切に持ちます。
あと名前はもう使いません。
お互いのことをミティニと呼びます。

うん、それは何となく分かりました。
儀式のときも聞いたし。

・・・で、ミティニってなんなのさ??

ガネッシュさんの説明から、私はずっとミティニの訳を「親友」だと思っていました。
でもそれを仲の良いネパール人に言うと、
「違いますよ!友達よりも断然上です!家族に近いです。」との返事が・・・。
日本にないから、しっくりくる訳はないわけですが。

不明な点も多いですが、私がネパール人に聞いたことをまとめると、

・家族に近い

・恋愛ではない

・ミット・ミティニになると、年の差は関係なくなる

・儀式でコインを交換したら、相手の悪いことを言ったり想像したりしてはいけない(例えば地震で命を落とす、とか)

家族のようになるため、相手の家族にも迎え入れられるし、家族行事にも参加したりする

・ミット・ミティニの関係は一生続く途中で止めると「天国に行けない」と言われている

・ミット・ミティニは何人いてもOK

・仲が良い者同士、また同じ名前を持つ者同士もミット・ミティニになる

同性同士でなければならない(男性同士はミット、女性同士はミティニ)
➔例えば私のミティニが結婚したら、ミティニの旦那さんは私のミットとなる。

・カーストの詳細が同じ人とはできない
➔同じ村なら絶対しない、遠ければOK

➔別のカーストでも、例えば兄弟が結婚して親族になった場合、そのカーストとミット・ミティニにはなれない

※一般論であり、例外もある

私も子供の時は、仲が良い友達と「今日から親友ね!」なんて言って約束し合ったものです。
感覚としては同じなのかな、と。
ミット・ミティニの場合も、子どもは持ってきた朝ごはんを交換して、それをもって儀式としたりもするそう。

ただ半永久的に続く点と、家族のようになる点が、日本の感覚より重い気がしますね。

上記にもあるように、「ミット・ミティニは何人いてもいいのよ!多ければ多いほどいいのよ!」って言う人もいますが、私が聞いた人はほとんど1人だけ、いても2人といった感じでした。
話を聞いていて、「家族と同じようにコミットしないといけないから」というのがあるのかな?と思いました。
相手のはもちろん、相手の娘や息子の結婚式にも呼ばれたり、どちらかが会いに来たら1週間でも1か月でも泊めてお世話したり。
何十人もミット・ミティニがいたら、ちょっと大変ですよね。

ネパール人には全員ミット、ミティニがいるのか?

じゃあ「ネパール人全員にミット・ミティニがいるのか?」という疑問が出てきます。

そこで・・・

身近なネパール人20人に緊急アンケートを実施!!

内訳:男性10人、女性10人

質問:あなたにはミット・ミティニはいますか?

アンケート結果:
ミット・ミティニがいる  9名

ミット・ミティニがいない 11名

ということで、いる人もいるし、いない人もいるという結果に・・・!

法則らしい法則を見いだせなかったですが、あえて言うなら「カトマンズ出身の人はいない傾向、村から出てきた人にはいる傾向がある」でしょうか。
もう一つ気になったのは、ミティニの消息を知らない人もいること。

私    「あなたにはミティニがいますか?」

おばちゃん「いるわよ」

私    「ミティニは今どこで何をしていますか?」

おばちゃん「知らないのよ~

という具合。
おばちゃんの場合は女の子同士で、互いに進学や結婚で地元を離れてしまって疎遠になったり、消息が分からなくなったりするのが多いのかと思います。
ネパールのお嫁さんはほとんど、実家を出て旦那さんの家に入ってしまうからかなぁ・・・

何十年も会っていないけれど、「ミティニはいますか?」と聞かれたら「いる!」と答えるところが、妙にネパールらしくていいなと個人的には思いました!

ミット、ミティニの起源

一説によると、ミット・ミティニの起源はシャハ王にあるようです。

シャハ王とは、

プリトビ・ナラヤン・シャハは、ネパール、ゴルカ王国の第10代君主(在位:1743年 – 1768年)。
ネパール王国の初代君主(在位:1768年 – 1775年)でもある。
カトマンズ盆地を制圧し、三都マッラ朝の時代を終わらせた建国の父でもある。

Wikipedia プリトビ・ナラヤン・シャハより

シャハ王は勢力を拡大していく中、吸収した地域の首長とミットになる約束を交わし、反乱が起きないようにしたそうです。
そうして、国を統治していったわけですね。

昔はこのことから、仲が良い者同士がミット・ミティニになるという今の形より、喧嘩した者同士がその後喧嘩しないようにお互いミット・ミティニになる、という形に近かったようです。

まとめ

今回はネパール独自の風習である、ミット・ミティニにスポットを当ててご紹介しました!

特に日本人を含む外国人は、ネパールに来たりネパール人の家にホームステイしたりすると、「ミット・ミティニになろう!」と言われることがあるかもしれません。
そんな時はぜひ、異文化に飛び込むつもりで「うん!」と言ってみてください。
大切なミット・ミティニができれば、ネパールはあなたにとって、さらに特別な国になるはずです!

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べじもも

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