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ナマステ!
標高4,130mまで登った7泊8日のヒマラヤトレッキング体験記。
前回までの体験記はこちら。
遂に現れた聖なる山、その名も「魚の尻尾」。
どんどん標高も高くなってきました。
果たして無事目的地まで到達できるのか?
朝から、帰りのゲストハウス予約でちょっと揉める
朝5時、トイレに目覚めて部屋の外に出ると満天の星空が。
昨夜は降っていた雨もすっかり止んでどうやらいい天気になりそうでホッとする。
それにしても、物凄い数の星がこれでもかって光っていた。
さすが宇宙に近いヒマラヤとか思いながら、1分後にはまた寝る自分。
6時に起きて朝ご飯を食べる。今日も変わらずトーストとオムレツとチーヤ。
ネパールのミルクティーを飲まないと1日が始まらない。
とか言っておきながら、ミルクティーは撮るのを忘れてしまった。
食べ終わって、準備をしているとガイドのアティットが宿の人と話すのが聞こえる。
どうやらA.B.Cに行ってからの帰り道でもまたこの宿に予約をするつもりらしい。
慌てて予約をしないでほしいと伝える。
なんでかって、昨日の夜泊まったこの宿は正直イマイチだったのだ。
問題はなんといっても部屋。これがよろしくない。
まず2人部屋が1つしかない。
今はトレッキングシーズンが始まったばっかで宿も混み混みなので、2人の僕らは高い確率で2人部屋に入ることになる。
それ自体はいいんだけど、その1つしかない2人部屋が暗くてほこり臭いのだ。
しかも食堂のすぐ隣にあって、食堂との壁も木の板1枚だからうるさい。
夜21時には食堂も閉まるので睡眠の邪魔にはならないからまあいいのだが、それでもなんか嫌だ。
こういう時はスタッフの人が素敵だとまあいいかってなるんだけど、女将さんらしきおばちゃんも、なんか強引で微妙。
てなわけで同じバンブーの他の宿をとろうとするも、ガイドと宿の人間関係を気にするとそれも難しい。
ガイドと宿の関係は蜜月だ。
宿にとってお客さんを連れてくるガイドは言うまでもなくもちろんありがたい。
ガイドにとっても懇意の宿ができると予約もしやすいのでありがたい。
そんな蜜月の関係だから、トレッカーが泊まりたくないと言いだすと色々ややこしい。
結局はお金を払う側のトレッカーに最終的な意思決定の権利はあるから泊まりたくないところに無理して泊まる必要はない。
でも自分が泊まらないことで良好な関係にヒビが入るようでなんか罪悪感を感じる。
結果的に、帰りはバンブーには泊まらなかったので心配不要だった。
それでも朝からめちゃいい天気で気分も晴れやかだったのに、どんよりした気分の朝になってしまった。
聖なる山、マチャプチャレを見ながらの贅沢な山登り
でも気を取り直して朝8時に出発。
目的地のヒマラヤまでは3時間ほどの道のり。
本当はもう少し足を伸ばして、標高3200mのデウラリというところまで登っておきたかったのだが、宿が満室で登っても泊まれない。
トレッキングのベストシーズンである今は宿が混みまくってるのだ。
そうなると、登っても仕方ない。
標高2900mほどで、デウラリから最も近いヒマラヤに泊まることにした。
ちなみにヒマラヤという地名だが、ヒマラヤは全く見えない。
なぜそんな地名にしたのだろうか。
道中、このトレッキングの旅の中で初めて日本の人に出会う。
ヒマラヤトレッキングに来る日本人は少なくなっていると聞いていたが、まさかここまでいないとは思わなかった。
10月に長期休みを取ることは日本で働いていると難しいかもしれない。
それにしてもトレッキングシーズンが始まったばっかでめちゃ混んでる今、見かけた日本人がわずか1組っていうのはなかなか寂しい。
それにしても、我が母国は全員一緒に大型休暇に休むというアホみたいなことをいつまでやり続けるのだろう。
年末年始、ゴールデンウィーク、お盆という大型連休に全員が一斉に休むからどこもかしこも混むのだ。
それに旅行関係のホテルや旅館だって休みを分散したほうが、稼働率が上がっていい。
決められた休みを一斉にとるのではなく、自分が好きな時にまとまった休みをとれるようになるとまた日本も変わりそうだ。
全員一緒の時代はもう終わったのだから。
なんてことを考えながら、山道を歩いていく。
心地よすぎるくらいの晴れで空気も澄んでいる。
おかげさまで歩きながら聖なる山、マチャプチャレがずっと拝めてテンションが上がりまくり。
こんな風に木と木の間から顔を出してくれている。
しばらく歩くと木がなくなり、一気にマチャプチャレが見えた。
最高すぎる。なんだこの美しさは。
マチャプチャレは「魚の尻尾」という意味。魚の尻尾に見えるから、その名前がつけられたとか。
これまでなんでそんな名前にしたのかって思っていたけど、今日やっと納得できた。
確かにこの角度で見ると魚の尻尾に見える。
今まで見てきたのは違う角度で見ていたから魚の尻尾に見えなかったのだ。
左がしっぽで右が魚の頭。確かに英語でFish Tailと呼ばれるだけある。
それにしても、なんと神々しいのだろう。
このマチャプチャレはこのアンナプルナのヒマラヤの山々の中でも特に神聖な山だと言われている。
なのでネパール政府は登山を禁止している。まさに「聖なる山」だ。
ちなみにこの「聖なる山」を「俺のマチャプチュレは夜すげえんだぞ」とゲスい下ネタにして使っていた日本人男性がいたのを思い出した。
まさに「性なる山」。
聞いたとき思わず僕も笑ってしまったが、こんなに神々しいと罰が当たりそうでもう笑えない。
そんな下ネタはどうでもいい。
それにしても、なんでマチャプチュレは神聖な山としてみなされているんだろう。
その辺のことをアティットに聞いたら「分かりませんね」とあっさり返された。
そこらへんのことを詳しく語れると、もっと女にモテるよって言っておこう。
そうすれば、プレイボーイの彼は率先して勉強するだろう。
ヒマラヤが見えなくなってきつくなる身体。それでも10:30には目的地ヒマラヤ到着
そんな美しいマチャプチャレを見てキャッキャッ騒いでいたらあっという間に中間地点のドバンに到着。
標高も2800mともう3000m近い。
このドバンはマチャピチャレが一望できるポイント。
建物の感じもきれいで整っているのでここで泊まるのもおすすめ。
バンブーよりは宿の数が少ないのでなかなか難しいかもしれないけど。
ドバンを過ぎてまた歩き出すとこんな看板が。
ここから先は神聖な地区なので唾を吐くことを禁止するとのこと。
僕にとっては何ら問題ないが、唾を吐きまくるネパールの人にとってはきつそうだ。
といってもチョウミンヘアー(ネパールの焼きそばヘアー)のポーター、スージャンはそこら辺で普通に唾はいてたけど。
スージャンも人見知りがなくなってきたみたいで、よく話すようになってきた。
出発前の「足が痛い」発言もほぼなかったように、快調に歩いている。
よかった。トレッカーならまだしもポーターがリタイアなんてことにならなくて。
しばらく登り道が続いてしんどくなってくる。
この頃から「性なる山」、じゃなくて「聖なる山」のマチャプチャレも全く見えずただ歩いていくだけ。
山が見えることで少なからず元気をもらっていたことに気づく。
どうりで1日目、2日目が辛かったわけだ。
ヒマラヤが見えないトレッキングなんてただの苦行だもんな。
あのきつさは、決して自分の体力不足だけが原因じゃないことにホッとする。
なんやかんやで今日の目的地ヒマラヤに到着。
まだ時間は10:30。
部屋は今日は初の相部屋になるらしい。どんな人が来るんだろう。
僕は人見知りで、なかなか初対面の人と打ち解けるのに時間がかかる。
というか気を遣ってしまうのだ。だからこういう相部屋はなるべく避けたかった。
それでもトレッキングのベストシーズンの今は、どこの宿も満室の状態。
それだと仕方ない。
この10月の頭の時期に来ると相部屋もあるっていうことは知っておいたほうがいいかもしれない。
それにしても今日は2時間半しか歩いていない。
それもあってちょっと歩き足りない気もするが、上の宿が空いてないんじゃ歩いたってこれまた仕方ない。
ここまでもそうだけど体力がなくて怠け者の僕らは基本的に午前中しか歩かない。
午後は何をしてるかというと、のんびりしている。
Kindleで本を読んだり、汗だくの服を洗濯したり、同じ
トレッカーと話したり、ガイドと話したり。
そんな過ごし方をしてつまらなくないのかと思われそうだが、意外と全然つまらなくない。
あっという間に時間が過ぎていく。
THE内向的人間の僕にとって、これはこれで好きな時間だった。
ただ物足りないって人もいると思うのでそういう人はもう少し歩く時間を延ばしてもいいかもしれない。
お昼は僕がツナチーズガーリックマカロニ。
妻がネパール風の焼きそば、チョウミン。
上から降りてきたトレッカーがここの宿の飯を絶賛していて、”Eat as much as you can.(食べれるだけ食べまくれ)”と言っていただけのことはあった。
超うまいし、ボリュームも満点。大満足の昼食だった。
多分この先ここ以上にうまいところはないだろうな。
どこの宿でもマカロニとかパスタとかピザとか、西洋料理も充実してる。
バカ舌なので、味は保証できないがそれでもうまいと思う。
下手したらカトマンズのそこら辺のお店のピザとかよりもうまい。
仕上げはチーヤ。マジでうまい。癒される。
いよいよ明日は標高3000m超え。
そして最終目的地A.B.Cの1つ手前のM.B.C(マチャプチャレベースキャンプ)まで。
高山病が心配。そしてその心配が現実になるとは…。
Day5へと続く。
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